阪井茂治 色鍋島 筒向付

現代色鍋島の巨匠として名高い阪井茂治（さかい しげはる）の「色鍋島 牡丹文 筒向付」をお譲りいただきました。

阪井茂治は、江戸時代から続く鍋島焼の至高の技術を現代に昇華させた名工であり、その作品は伝統に基づいた気品と現代的な感性が見事に融合しています。

本作は、すらりとした立ち上がりが美しい筒状の造形に、色鍋島の象徴ともいえる鮮やかな大輪の牡丹が描かれた逸品です。落ち着いた染付の青と、繊細な赤、黄、緑の上絵付けが織りなす色彩の対比は、見る者の目を愉しませるだけでなく、洗練された品格を感じさせます。

鍋島焼は、かつて佐賀藩において、徳川将軍家への献上品や諸大名への贈答用としてのみ生産された藩窯（はんよう）という特別な歴史を有しています。その希少性と格調高さは、現代の作家たちにも脈々と受け継がれています。

本作もまた、その誇り高き伝統を色濃く反映しており、美術品としての価値を放っています。

古美術永澤では、経験豊富な査定士が、お客様が大切にされてきたコレクションを丁寧に拝見いたします。陶磁器の整理をご検討の際は、ぜひお気軽に私どもへご相談ください。

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