
大清康熙年製の白磁筆筒
大清康熙年製(たいせいこうきねんせい)の白磁筆筒をお譲りいただきました。
この筆筒の底部には、「大清康熙年製」の青花款が施された貴重な官窯作品です。康熙年間(1661-1722年)は清朝磁器の隆盛期とされ、特に白磁の技術が進化した時代です。
この筆筒は、透明感のある釉薬が均一に施されており、官窯特有の純白で滑らかな質感があります。これは「甜白」と呼ばれる白い釉薬により独特の美しい白色を呈したもので、現代でも多くの収集家に愛され続けています。
筆筒の表面には、楷書体で詩文が丁寧に書き込まれています。文人の書斎用品として製作された筆筒には、このように漢詩や古典文学の一節が装飾として施されることが一般的でした。書体の美しさと文字配置のバランスは、当時の宮廷工芸師の高い技術力を示しています。
注目すべきは、文字が手描きによるものと見られ、一つひとつが職人の手仕事の証となっています。機械的な方法では表現できない、人の手による温かみが感じられます。
筆筒は中国文人の書斎において、筆を立てて保管するための実用的な道具でした。しかし、康熙年間の官窯作品は単なる実用品を超え、美術工芸品としての価値も併せ持ちます。
円筒形の美しいフォルムは、筆を取り出しやすい機能性を保ちながら、書斎を格調高く演出する装飾品としての役割も果たしていました。
康熙年製の白磁筆筒は、現在の古美術市場において高い評価を受けています。完品で款識が明確なものは希少で、コンディションや装飾の質によって価値が大きく左右されます。
この品のように詩文装飾が施された筆筒は、国内外の収集家から注目されています。
もし、このような中国・清朝時代の磁器をお持ちで、買取をお考えの方は、ぜひ、古美術永澤へお声がけください。中国美術専門の目利きが拝見し、その価値を最大限にご提示いたします。
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