瑪瑙 蘭彫刻

この度、上質な瑪瑙(めのう)彫刻作品をお譲りいただきました。手のひらサイズながら、中国伝統工芸の精緻な技術が随所に光る逸品です。

使用されている瑪瑙は、透明感のある乳白色を基調とし、天然の朱色が美しく走っています。この色彩の対比は「紅白瑪瑙」と呼ばれ、古来より縁起の良い石として珍重されてきました。石質は大変緻密で、表面の艶やかな光沢からも上質な原石を使用していることが窺えます。

本作品で注目すべきは、その精巧な彫刻技術です。蘭の花の表現は立体的かつ写実的で、花房などが丁寧に表現されています。

蘭の花は中国の吉祥モチーフで高潔さや気品を意味し、高貴な人物の象徴として尊ばれてきました。本作品の造形からは、装身具ではなく、文具や印章の装飾として製作された可能性が高いと考えられます。

長年の使用にも関わらず、欠けや亀裂などの大きな損傷がない良好な保存状態でした。

近年、中国古美術品への関心の高まりにより、質の高い瑪瑙の彫刻作品への需要が高まっています。特に本作品のような職人の技術が際立つ品は、コレクターからの評価も高いため、相応の評価をさせていただきました。

古美術永澤では今後も、このような価値ある中国古美術品を適正に評価し、次の世代へと受け継がれるよう努めてまいります。中国玉器・石製工芸品の買取をお考えの際は、専門の査定士のいる古美術永澤へぜひご相談ください。

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