銀と銅の水滴

先日、お客様より、貴重な中国古美術品である「銀と銅の水滴」をお譲りいただきました。

今回お譲りいただいた水滴は、まずその素材の組み合わせが目を引きます。本体上部と下部には重厚感のある銀が用いられ、中央部には温かみのある銅が配されています。

特に銅の部分には、繊細かつ優美な文様が丁寧に彫り込まれており、光の当たり方によって表情を変える様は、まさに美術品と呼ぶに相応しいものです。把手（とって）部分も特徴的で、銀を編み込んだような独特のデザインが施されており、洗練されたアクセントを加えています。

水滴とは、書道において硯に水を供給するための道具です。一滴一滴、水を硯に落とすための小さな注ぎ口が設けられており、その機能性と美しさを両立させた造形は、中国の文人文化の奥深さを物語っています。実用的な道具でありながらも、その意匠には持ち主の美意識や教養が色濃く反映されるため、古美術品として高い評価を得ています。

銀と銅という異なる金属を巧みに組み合わせ、さらに精緻な彫刻を施すには、高度な技術と経験が必要です。また、長い年月を経ているにもかかわらず、大きな損傷もなく、美しい状態を保っていることは、価値のあることです。適切な手入れがなされてきた証であり、その希少性をさらに高めています。

お客様が大切にされてきたお品物を、次の世代へと繋ぐお手伝いをさせていただくことは、私ども買取業者にとってこの上ない喜びです。古美術永澤では、今回のような中国古美術品をはじめ、幅広いジャンルの美術品・骨董品の買取を専門としております。

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