
古銅帯鉤(たいこう)
先日、お客様より、大変貴重な古銅帯鉤(たいこう)をお譲りいただきました。
この帯鉤は、古銅特有の深い緑青(ろくしょう)と、長い歳月を経て醸し出される古雅な雰囲気を纏った逸品です。特徴的なのは、胴部に施された渦巻文様と、鉤の先端にあしらわれた迫力ある龍頭の意匠にあります。
渦巻文様は、古代から世界各地で生命力や永遠を象徴する吉祥文様として用いられてきました。この帯鉤の渦巻文様は、流れるような曲線で構成され、見る者に動きと奥行きを感じさせます。熟練した職人の手によって丁寧に彫り込まれたであろうその文様は、当時の高度な技術と美意識を伝えています。
そして、もう一つの見どころは、鉤の先端に見られる龍頭です。中国においては古くから龍は神聖な生き物として崇められ、皇帝の象徴や富と権力の象徴として扱われてきました。この帯鉤の龍頭も持ち主の威厳や社会的地位を示すものであったことがうかがえます。このような装飾性豊かな帯鉤は、当時の高貴な身分の人物が身につけていたと考えられます。
帯鉤は、古代中国において衣服の帯を留めるための装具として用いられたのが始まりとされています。特に戦国時代から漢代にかけて盛んに製作され、その素材も青銅、金、銀、玉など多岐にわたりました。装飾性も高く、当時の社会階層や流行、さらには文化交流の様子を知る上で重要な手がかりとなる美術工芸品です。
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