
王雪濤(おう せっとう)の 掛け軸
この度は、中国近現代を代表する画家、王雪濤(おう せっとう)の掛け軸をお譲りいただきました。
今回お預かりしたのは、堂々たる鷹が老木に止まる姿を描いた力強い作品です。水墨の濃淡と筆の勢いが見事に調和し、鷹の精悍な眼差しや羽毛の一本一本、そして老木の力強い幹の質感が、まるで目の前にあるかのように感じられます。
王雪濤は、伝統的な中国画の技法を受け継ぎながらも、西洋画の写実的な要素を取り入れ、独自のスタイルを確立したことで知られています。特に花鳥画を得意とし、その作品は生命力に満ち溢れ、繊細さと大胆さを兼ね備えているのが特徴です。この度の作品にも、その優れた画力が遺憾なく発揮されています。
王雪濤(1903-1982)は、清代末期から中華人民共和国建国後に活躍した画家で、北京の中国画研究会で斉白石(さい はくせき・せい はくせき、1864-1957)に師事しました。斉白石が「弟子の中で最も抜きん出ている」と評した逸話も残されており、その才能は当時から高く評価されていました。
彼の作品は、斉白石の豪放な画風を基礎としながらも、より優美で繊細な表現を取り入れた独自のスタイルを確立しました。花や鳥、昆虫などをモチーフとした作品は、生き生きとした生命感と詩的な情緒をたたえ、多くの人々に愛されています。
今回の掛け軸は、作品自体の素晴らしさもさることながら、保存状態も非常に良好でした。シミやヤケ、折り目なども少なく、作品本来の美しさが保たれていました。また、落款や印章(印泥)も鮮明であり、真贋を判断する上でも重要な要素となります。
私ども古美術永澤では、このような中国近現代の巨匠の作品を査定する際には、画家の真贋、作品の出来栄え、保存状態、そして市場での需要と供給といった様々な要素を総合的に判断し、お客様にご納得いただける査定額をご提示するよう努めております。
もしご自宅に眠っている中国美術品、特に王雪濤や斉白石といった近現代の巨匠の作品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤の無料査定をご利用ください。専門の査定士が丁寧に拝見し、その価値を最大限に評価させていただきます。
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