
清末民初の巨匠である文人画家・呉昌碩による掛け軸 臨石鼓文をお譲りいただきました。呉昌碩は書・画・印のいずれにも優れた「三絶」の芸術家として知られ、なかでも篆書や篆刻は彼の芸術の根幹を支えた分野です。
本作は、古代に伝わる「石鼓文」を手本とした臨書作品です。石鼓文とは、戦国から秦代にかけて石に刻まれた最古級の篆書碑刻で、狩猟を詠んだ詩文が残されているものです。後世の書家たちにとって篆書(てんしょ)の原点とされ、呉昌碩もまたその精神を学び、自らの芸術に生かしました。
石鼓文は「篆書の源流」として尊ばれ、その臨書は単なる書写ではなく、古人の精神に寄り添いながら自己の芸術を深める行為でもありました。本作は、呉昌碩が古典を深く理解しつつ独自の力強さへと昇華させた貴重な証といえるでしょう。
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