
清末民初の巨匠である文人画家・呉昌碩による「鶏冠花」の掛け軸です。呉昌碩は書・画・印を兼ね備えた「三絶」の芸術家として広く知られ、その花卉画は彩色と墨を自在に組み合わせた豊かな表現力で高く評価されています。
本作の主題となっている「鶏冠花(けいかんか)」は、別名「葉鶏頭(はげいとう)」とも呼ばれる植物です。夏から秋にかけて咲き、鶏の冠のように赤く立ち上がる花姿からその名がつけられました。燃えるような赤や橙の色彩が特徴で、古くから「繁栄」「情熱」「生命力」を象徴する花とされています。特に中国や日本の絵画では、秋を代表する吉祥的な花としてたびたび取り上げられてきました。
鮮やかに彩色された鶏冠花の赤と黄が、堂々とした墨の奇石と対比するように描かれています。花の勢いある姿は生命の旺盛さを、岩は不変と堅固さを象徴し、動と静、華やかさと落ち着きが見事に調和しています。呉昌碩が好んだ「花卉と石を組み合わせる」構図の典型であり、華麗さと文人趣味の精神性が融合した一幅といえるでしょう。
また、上部には自筆の題詩が添えられ、落款印も押されています。書の力強さと画の華やかさが呼応し、さらに篆刻印が画面全体に格調を与えています。まさに詩・書・画・印が渾然一体となった呉昌碩芸術の真骨頂です。
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