
中国画家・王成喜による「鐵骨生春」です。画面いっぱいに力強い枝ぶりを広げ、鮮やかな紅梅の花々が満開に咲き誇る姿が表現されています。墨による幹の重厚な表情と、朱の濃淡を巧みに配した花の対比が見事であり、観る者に強烈な生命力と春の訪れを感じさせます。
王成喜(1940年生まれ)は河南省出身の現代中国を代表する花鳥画家で、特に梅花図を得意としました。董寿平らに学び、伝統的な筆墨法に西洋的な明暗や構図を融合させ、華やかでありながらも端正な作風を築いています。彼の作品は人民大会堂、中南海、日本の国会貴賓室などにも飾られ、国際的な評価を受けていることでも知られています。
本作においても、太い枝に残る雪のような白描の表現、花弁の密集と遠近感のある配列が巧みに描かれており、画家の代表的な紅梅作品群と共通する技法が随所に見られます。紅梅は「忍耐・気高さ・生命力」を象徴する吉祥の題材であり、王成喜が生涯をかけて描き続けたテーマの核心を示すものです。大画面に広がる枝と花は観賞用としても圧巻です。
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