
七宝 香炉
美しい彩色が施された中国の七宝香炉を買取させていただきました。
七宝焼(しっぽうやき)は、金属の表面にガラス質の釉薬を施し、高温で焼成して作られる工芸技法で、中国では「景泰藍(けいたいらん)」と呼ばれています。
この香炉は典型的な中国七宝の特徴を備えており、青緑色を基調とした鮮やかな色彩と、細かな文様装飾が見事に表現されています。
形状は三足鼎(さんそくてい)と呼ばれる古典的なスタイルで、胴部は球形に近い丸みを帯びた形状をしています。蓋部分には宝珠形の摘みが配され、全体的に重厚感のある仕上がりとなっています。表面には雷文(らいもん)などの伝統的な中国の吉祥文様が施されており、中央部分には饕餮文(とうてつもん)と思われる獣面装飾が配置されています。
色彩面では、深い青緑色を主調とし、金色、赤色、白色などが巧みに配色されています。特に胴部の文様帯では、複数の色を使い分けることで立体感と華やかさを演出しています。三本の脚部にも同様の装飾が施され、細部まで手を抜かない職人の技術力を物語っています。
七宝焼の歴史は古く、中国では元の時代から本格的に発展し始めました。特に景泰年間(1450-1457年)に青色を基調とした作品が多く作られたことから「景泰藍」の名称が生まれました。
香炉は中国文化において重要な意味を持つ器物で、宗教的儀式や日常の香を焚く際に使用され、また文人の書斎においても愛用されてきました。
七宝香炉は、中国工芸品の精華を示す貴重な作品として、古美術愛好家の方々に人気です。伝統技法による手仕事の温かみと、洗練された美意識が融合した逸品として、末永く大切にされることを願っております。
お手元に中国七宝や古美術品をお持ちで、買取をお考えでしたら、ぜひ、古美術永澤へご相談ください。適正な評価と丁寧な対応をお約束いたします。
関連買取実績
-
2025.10.02
-
2025.09.29
-
2025.09.29
-
2025.09.26