
乾隆ガラス 鼻煙壺(びえんこ)
ガラス製の鼻煙壺(びえんこ)をお譲りいただきました。
鼻煙壺は、嗅ぎタバコを入れるための小さな容器です。17世紀に中国へ嗅ぎタバコが伝来して以降、清朝の上流階級の間で大流行しました。それは単なる喫煙具に留まらず、権力や富、そして個人の美意識を象徴する工芸品として発展しました。
今回お預かりした鼻煙壺は、雪の結晶のような気泡が混じる透明なガラス胎の上にの上に、濃淡のある黒のガラスを被せ、これを彫り込んで文様を表現する套(かぶせ)ガラスの技法が用いられています。
この技法は、特に乾隆帝(けんりゅうてい、在位1735- 1796年)の時代に、宮廷の工房で盛んに制作されました。乾隆帝自身が工芸品を愛し、その保護と発展に力を注いだため、この時代の美術・工芸品は技術的にもデザイン的にも非常に洗練されています。
この鼻煙壺に施されているのは、霊獣が気を吐き、そこから陰陽(太極)が生み出されるという道教的・陰陽思想的な世界観です。小さな器の中に壮大な世界観が凝縮されており、繊細な彫刻から当時の高い工芸技術が感じ取れます。
古美術永澤では、このような歴史的、美術的価値の高い中国美術品の査定・買取を承っております。買取をお考えの際は、どうぞお気軽にご相談ください。
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