
乾隆ガラス鼻煙壷(びえんこ)
清代の美意識が凝縮された被せガラスの鼻煙壷をお譲りいただきました。乳白色の細かな気泡を含んだガラスをベースに、鮮やかな赤色のガラスを重ねて精緻な浮き彫りを施した逸品です。
その意匠には、古くから吉祥文様として愛されてきた「葡萄松鼠図(小リスと葡萄)」が表現されています。葡萄は房に多くの実をつけることから多産を、リスは子孫繁栄を象徴しており、当時の人々の豊かさへの願いが込められています。
力強くも繊細な彫り口からは、乾隆ガラス特有の肉厚で重厚な質感と、熟練の職人による卓越した技術力が存分に伝わってきます。
鼻煙壷は嗅ぎタバコ(鼻煙)を入れる容器として、清朝時代に宮廷貴族の間で爆発的な流行を見せました。特に乾隆年間にその技術は最盛期を迎え、皇帝が工房を管理し、西洋から伝わったガラス技法と東洋の伝統的な感性を融合させた独創的な作品が数多く生み出されました。
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