
唐物 錫茶托
落ち着いた錫(すず)の光沢が深い味わいを放つ、唐物の錫製茶托をお譲りいただきました。
中国から渡来した錫器は、使い込むほどに表面が酸化して独特の黒みを帯び、「古錫(こしゃく)」と呼ばれる非常に趣深い色を形成します。本品もまた、年月を経て育まれたしっとりとした手触りと、重厚感のある佇まいが魅力的な一品です。
余計な装飾を削ぎ落としたシンプルで端正な造形は、上に載せる茶碗を引き立て、煎茶席において静かな存在感を放ちます。
日本の煎茶道は江戸時代中期以降、中国の文人文化への憧憬とともに独自の発展を遂げました。その過程で、中国産の錫製茶道具は「唐物」として極めて高く評価され、日本の茶人たちの間で競うように蒐集された背景があります。
特に錫は「水や茶の味をまろやかにする」と珍重され、金属でありながら柔らかな温もりを感じさせる特性から、高貴な賓客をもてなすための道具として欠かせない存在となりました。
古美術永澤では、こうした唐物や煎茶道具の査定・買取を承っております。長年大切に保管されてきたお品物や、価値の判断が難しい古いお道具など、整理をご検討でしたらお気軽にご相談ください。
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