
天保丁銀
江戸時代後期の天保8年(1837年)から製造された銀貨の天保丁銀を買取させていただきました。
この時代は幕府の財政が逼迫しており、貨幣制度の改革が急務となっていました。天保丁銀は、それまでの慶長丁銀や元禄丁銀と比べて銀の純度を下げることで製造コストを抑制し、改鋳利益を得る目的で発行されました。
銀含有量は約26%程度で、従来の丁銀と比較して品位が下がっています。表面には「保」の文字が刻印されており、当時の貨幣制度と社会情勢を物語る貴重な史料としての価値を持っています。
天保丁銀の鑑定では、まず真贋の判定が最も重要となります。表面の「保」の文字、文字の形状、全体的なバランスを慎重に確認します。本物は手彫りによる自然な文字の揺らぎがあり、機械的な均一性は見られません。
また、銀特有の色合いと光沢、経年による自然な変色の状態も真贋判定の手がかりとなります。
近年の古銭市場では、江戸時代の銀貨に対する関心が高まっており、コレクターの間では天保丁銀の需要が安定しています。
天保丁銀の価値は保存状態に大きく左右されます。注意すべきは、文字部分の摩耗の程度です。「保」の文字や極印がはっきりと判読できるかどうかで価値が大きく変わります。また、曲がりや欠け、腐食の有無も査定に大きく影響します。適切な保管により状態を維持することで、将来的な価値の目減りを防ぐことができます。
古美術永澤では、このような古銭や大判小判、中国古銭、記念金貨などの買取を行っており、専門の査定士が丁寧に拝見いたします。もし、お手元に古銭があり買取をお考えでしたら、ぜひ、古美術永澤へお声がけください。
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