
「皇宋通宝(こうそうつうほう)」・「皇宋元宝(こうそうげんぽう)」をお譲りいただきました。
同じ「皇宋」という名を冠していますが、まったく別の時代に鋳造発行された銭貨です。
皇宋通宝は、北宋の第4代皇帝である仁宗の時代、宝元年間(1038年~1040年)に発行されました。年号銭ではなく、国号である「皇宋」を冠した珍しい貨幣です。日本に大量に流入し、寛永通宝が普及するまで最も多く流通していた渡来銭でした。複雑に折れ曲がった「九畳篆(きゅうじょうてん)」という書体を持つものは、高い美術的価値を誇る希少品です。
一方、皇宋元宝は南宋の第5代皇帝・理宗の治下、宝祐年間(1253年~1258年)に発行されたものです。
いずれも元号に「宝」という漢字が入っており、元号を冠すと銭銘に「宝」の字が二つになってしまうことから採用が避けられたようです。また、真書体と篆書体等による「対銭」(書体の違いを除いた文字の形や大きさが非常に似ているペア銭)という形式が採用されており、当時の高度な書道文化を反映しています。その一方で、皇宋通宝が「対読」、皇宋元宝が「廻読」という銭銘の読み方には違いもあります。
古銭は当時の社会状況や文化を今に伝える貴重な歴史的資料です。
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