
「天元通宝(てんげんつうほう)」をお譲りいただきました。
天元通宝という名を持つ銭貨には、製造された時代と場所の異なるいくつかの種類が存在します。
まずは、清末期に反清復明運動を起こした秘密結社である天地会が鋳造した内部流通貨幣としての天元通宝があります。精密な鋳造技術が採用されており、表文は楷書体で縦書き、背(裏面)には「文」の字が刻まれています。穴右側の文字は会員の識別印で、天元通宝は貨幣ではなくて会員券だったという説もあります。現存数が極めて少なく、希少貨幣に分類されます。
一方、中国の「開元通宝」を模鋳した島銭としての天元通宝も存在します。「島銭」とは、宋銭や明銭といった中国銭を模倣して、日本国内で独自に鋳造・流通した穴銭の総称です。銭銘の文字が大きく崩れているのが特徴で、全く読めないもの(「不能読」)も少なくありません。これらの特徴から、鉛のような柔らかい金属を彫刻刀で彫り、それで型をとって作っていたと考えられています。文字の稚拙さは逆に魅力となり、古来より古銭家に愛され、その希少さもあいまって高額で取引されていました。
古銭は貴重な歴史的資料です。お手持ちの古銭の価値が気になっておられましたら、どうぞお気軽にお声がけください。
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