
「紹熙元宝(しょうきげんぽう)」をお譲りいただきました。
紹熙元宝は、南宋の第3代皇帝・光宗の治下、紹熙元年(1190年)に鋳造発行が開始された中国の銭貨です。同時期に紹熙通宝も発行されています。日本にも大量に流入し、渡来銭として流通しました。
形状は東アジア地域における一般的な円形方孔銭で、廻読で銭銘が刻まれています。銅銭と鉄銭があり、書体は楷書体・篆書体があります。
背(裏面)には鋳造年を示す「元~五」の数字が刻印されており、鉄銭では「春」、「同」、「漢」といった鋳造地を表す漢字と発行年の組み合わせ(「春五」「同二」など)がよく見られます。
紹熙元宝は、南宋銭の中でも比較的鋳造技術の高い銭貨です。篆書体の「背春三」や「背定三」などの一部の鉄母銭(銅銭を作るための原型となった鉄製の貨幣)は、鋳造が精巧で現存数が少ないため珍品となり、折五銭の試鋳銅銭なども流通しなかったため稀少です。
光宗の時代には鋳造技術において楷書が主流化する傾向があったため、紹熙元宝は南宋最後の篆書体年号銭となりました。古銭は当時の貨幣制度や文化を今に伝える歴史的遺物と言えるでしょう。
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