翡翠 香水瓶

この度、翡翠製の香水瓶をお譲りいただきました。一見してその美しさと希少性に目を奪われる、コレクターズアイテムとして大変価値の高い作品です。

本品は濃緑色の天然翡翠を用いた香水瓶で、優雅なフォルムを持ちます。注目すべきは、装飾の蓋部分です。古代エジプトのファラオの頭飾りを模した意匠には、鮮やかな黄色とブラウンのエナメル装飾が施され、中央には深紅のガーネットと思われる宝石が配されています。

19世紀後期から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパではエジプト考古学ブームが起こり、古代エジプトの美術様式を取り入れた装飾品が数多く制作されました。この香水瓶も、そうした時代の流れの中で生み出された贅沢品の一つと考えられます。

使用されている翡翠は、深みのある緑色が美しく、透明度も良好です。表面に若干の天然由来のインクルージョン（内包物）が見られますが、これは天然翡翠の証拠です。翡翠は古来より「玉の王」と称され、特に東洋では魔除けや不老長寿の象徴として珍重されてきました。西洋においても19世紀以降、その美しさと希少性から高級装飾品の素材として重宝されています。

金属部分の細工は非常に精密で、エナメル装飾の発色も鮮やかに保たれています。三角形のモチーフが連続する装飾帯や、羽根状の意匠など、古代エジプト美術の特徴を忠実に再現した職人技が光ります。また、翡翠本体と金属装飾部分の接合も丁寧に施されており、当時の高い工芸技術を物語っています。

このような翡翠製の装飾香水瓶は、現在のアンティーク市場においても非常に人気が高く、コレクターからの需要も旺盛です。保存状態も良好で、実用性と美術性を兼ね備えた逸品として、今後も価値の向上が期待できる作品です。

古美術永澤では、このような希少性の高いアンティーク香水瓶の査定・買取も行っております。お手持ちの古美術品についても、ぜひお気軽にご相談ください。

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