
銀製品のコレクション
銀製品の小物コレクションをお譲りいただきました。
並べられた銀製品の数々は、19世紀末から20世紀初頭にかけての日本と西洋の洗練された工芸技術を今に伝える品々です。光沢を帯びた銀の表面には、時間が刻んだ味わい深い風合いを感じさせます。
左上の大きなシガレットケースにはモノグラムが刻まれ、右上のマッチケースは、幾何学模様が精緻に施されており、当時の日用品がいかに芸術的であったかを物語っています。
目を引くのは、右下に位置する黒色に金色のトンボ模様が施された名刺入れです。これは日本の伝統的な金工の技術を駆使した逸品と思われます。日本の自然美を西洋の実用品に融合させた、明治期の輸出工芸品の特徴を表しています。
これらの銀製品は純度92.5%のスターリング・シルバーや銀合金で作られており、手作業による成形、彫金、打ち出しなどの多様な技法が用いられています。上段中央の斜めストライプ模様のケースに見られる規則的な模様は、高度な彫金技術によるものです。また、各小物に取り付けられた鎖の精巧な作りも職人技の高さを示しています。
明治から大正期は、日本が西洋文化を吸収しながらも独自の意匠を発展させた時代でした。特に文様やモチーフには、日本古来の自然観が反映されており、海外でも高く評価された日本美術の特徴が見て取れます。
近年、こうした明治・大正期の銀製品は国内外のコレクターの間で人気が高まっています。特に職人の銘や工房の刻印があるもの、保存状態の良いもの、独創的な意匠を持つものは高値で取引される傾向にあります。また、トンボや花など自然のモチーフを取り入れた日本的な意匠の品は、海外市場でも人気です。
銀製品は適切なケアを行うことで何世代にもわたって輝きを保ちます。定期的な専用クロスでの磨きや、防錆対策などの基本的なメンテナンスが価値維持には欠かせません。
銀製品のコレクションをお持ちで、もし買取をお考えでしたら、専門の査定士のいる古美術永澤へご相談ください。
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