
金とプラチナ 簪(かんざし)
この度は、お客様より、貴重な「金とプラチナの簪(かんざし)」をお譲りいただきました。
このお品は、黄金色に輝く金と、白く高貴な光沢を放つプラチナのコントラストが美しい、見事な簪です。二股に分かれた軸は金、そしてその上を飾るツイストされたデザインの部分にはプラチナが用いられており、その精緻な細工からは、卓越した職人技が伝わってきます。
特筆すべきは、この簪が収められていた箱です。蓋の裏には「TOKYO OSAKA 服部時計店」という文字が読み取れます。「服部時計店」は、現在の「セイコーグループ」の前身であり、日本の近代化を象徴する企業として、その名を知らぬ者はいないでしょう。明治時代から昭和初期にかけて、服部時計店は時計や宝飾品、貴金属製品などを扱っており、その品質は日本最高峰とされていました。
この簪が服部時計店謹製であるという事実は、単なる装身具を超え、日本の近代における服飾文化、ひいては社会経済史の一端を物語る貴重な資料であることを意味します。贅沢な素材使いはもちろんのこと、この洗練されたデザインは、当時の一流品であったことを物語っています。
古美術品は、単なるモノではありません。そこには作り手の情熱、持ち主の想い、そしてその時代背景が凝縮されています。私たちは、そうした物語までをも丁寧に読み解き、真の価値を見出すことを使命としています。
もしご自宅に眠っているお品物がございましたら、ぜひ一度拝見させてください。美術品としての価値はもちろん、お客様の想いにも寄り添い、適正な価格をご提案させていただきます。この度は貴重なお品物をお譲りいただき、本当にありがとうございました。
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