
下賜品のボンボニエール
今回、買取させていただいたのは、下賜品の美しいボンボニエールです。二つのボンボニエールは、それぞれ異なる意匠が施されています。
一つは、水面を優雅に泳ぐ二羽のオシドリ。もう一つは、豪華絢爛な尾羽を持つ鳳凰です。どちらも、その細密な意匠と銀の渋い光沢が、見る者を惹きつけます。
ボンボニエールは、皇室でお祝い事があった際に、皇族から関係者や功労者などに下賜された、いわば「お菓子の小箱」です。その下賜品としての性格上、ボンボニエールは一つ一つが非常に丁寧に作られており、高度な工芸技術が惜しみなく注ぎ込まれています。このボンボニエールも例外ではありません。
オシドリは、その姿から「夫婦円満」の象徴として古くから日本で親しまれてきました。一方、鳳凰は、平和と繁栄を告げる伝説の鳥として、古来より尊ばれてきました。これらの吉祥の意匠が施されていることから、このボンボニエールは、ご成婚など、おめでたい行事の際に下賜されたものではないかと推測されます。
ボンボニエールに用いられている素材は銀製で、全体に渋い光沢を放つ燻し銀の技法が用いられています。さらに、オシドリの羽毛や鳳凰の尾羽には、精巧な彫刻が施されており、立体感のある表現を生み出しています。
ボンボニエール上部には、皇室の御紋である十六八重菊の紋が金色で刻まれており、これが下賜品であることを明確に物語っています。
ボンボニエールは、単なる工芸品としてだけでなく、日本の歴史や文化、そして皇室の伝統を今に伝える貴重な資料です。今回、買取させていただいたこの二つのボンボニエールは、その美しさ、希少性、そして歴史的価値から、高い評価をさせていただきました。
下賜品や古美術品は、その由来や来歴によって価値が大きく変わることがあります。もしご自宅に眠っているボンボニエールや、ご処分を検討されている美術品などがございましたら、ぜひ一度、古美術永澤にご相談ください。専門の査定士が丁寧に拝見し、適正な価格で買取させていただきます。
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