
彫金の煙草入
先日、大変貴重な彫金が施された銀製の煙草入をお譲りいただきました。
この煙草入は、蓋表に堂々とした猪、そして裏面には風になびく芒(すすき)が描かれています。猪の毛並み一本一本、力強い蹄、そして鋭い眼光までが、驚くほど細やかに彫り込まれており、今にも画面から飛び出してきそうな迫力があります。
一方、裏面の芒は、風に揺れる様が繊細な線で表現され、遠景の山々と合わせて日本の秋の情景を描いています。静と動、力強さと繊細さが対比的に描かれており、この煙草入れの大きな魅力となっています。
煙草入れは、携帯用の小さな道具でありながら、その時代の美意識や工芸技術の粋が凝縮された工芸品です。特に、明治期は日本の伝統工芸が西洋の技術や様式と融合し、独自の進化を遂げた時代であり、海外からの評価も高まった時期です。このような精巧な彫金が施された銀製の煙草入れは、当時の富裕層が愛用した贅沢品であり、現在では流通量が少なく、希少なものとされています。
今回の煙草入れは、経年による細かな傷や変色は見られましたが、全体的に保存状態が良好でした。意匠の素晴らしさ、希少性を総合的に考慮して、お客様にご納得いただける価格で買取させていただきました。
ご自宅に眠っている古い道具や美術品はございませんか?
今回の煙草入れのように、ご自身では価値がわからないものでも、専門知識を持つ私ども古美術永澤の査定士が丁寧に拝見いたします。作者の特定や、その背景にある歴史的な価値までしっかりと見極め、適正な価格をご提示いたします。
「これは価値があるのかな?」と少しでも気になったら、まずは一度ご相談ください。査定だけでも無料で承っております。お気軽にお問い合わせください。
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