
銀製の花瓶
今回、お客様よりお譲りいただいたのは、堂々たる存在感を放つ銀製の花瓶です。
細部まで丁寧に作り込まれた意匠から、高度な技術と深い教養を持つ銀器師の作品であることがうかがえます。
正面に大きく配された「壽」の文字は、長寿を願う吉祥のシンボルであり、古くから中国の工芸品などに用いられてきました。また、その下部には、六角形の連続文様が精緻な線彫りで施されています。六角形は亀の甲羅を連想させ、長寿や繁栄を意味するとされています。
中国における銀器の歴史は非常に古く、唐の時代には、西域からの影響を受けて金銀細工の技術が飛躍的に発展し、宋代には庶民の間でも銀器が普及していきます。明清時代には、より洗練された技術と多様な意匠が生まれ、茶器や酒器、文房具など、生活のあらゆる場面で銀器が愛用されました。
このような銀器の査定のポイントをご紹介します。まず、基本となるのは、銀の純度です。次に、意匠の美しさや細工の精緻さです。吉祥文様や風景、人物などが描かれている場合、その描写の巧みさが査定を左右します。また、特定の王家や富裕層のために作られたもの、あるいは有名な工房や銀器師の作品には希少価値が生まれます。
今回の花瓶は、これまでの歴史を静かに物語るかのような深みのある光沢をまとっています。古美術永澤では、このような銀器などの古美術品を適正に査定し、お客様にご満足いただける査定額で買取させていただいております。今後も、お客様の大切な品々を次の世代へと繋ぐお手伝いができれば幸いです。
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