
細密彫刻
先日、骨董品の買取で、大変精巧な細密彫刻をお譲りいただきました。一つの素材から彫り出されたとは思えないほどの緻密さと、奥行きのある世界観が凝縮された逸品です。
この作品は、観音開きになっており、その内部に全く異なる二つの情景が展開されます。右側には、石垣の上に建つ重厚な楼門が、驚くほどリアルに表現されています。屋根や軒先の複雑な構造や高欄、石垣に至るまで、細部にわたる彫りから、作者の卓越した技量と、対象への深い観察眼がうかがえます。
左側には、流れる水面にかかる太鼓橋が彫り出されています。欄干や橋脚の細かな装飾、そして橋の下を流れる水の波紋までもが、繊細に表現されています。
この二つの情景が、一つの作品の中に共存していることが、この作品の持つ物語性を高めています。
この種の細密彫刻は、特に明治時代以降に技術が飛躍的に発展しました。西洋に輸出される美術工芸品として、日本の職人たちがその技術を競い合った結果、驚くべき作品が多数生み出されました。今回の作品も、まさにその時代の息吹を感じさせるものです。
私ども古美術永澤は、こうした貴重な美術品に込められた作者の想いや、時代背景、そしてその価値を正当に評価し、次世代へと受け継いでいくことを使命としています。
もしご自宅に、代々受け継がれてきた古美術品や工芸品がございましたら、ぜひ一度、私ども古美術永澤にご相談ください。専門の査定士が、一点一点丁寧に拝見し、その価値を最大限に評価させていただきます。
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