
象牙彫刻
大変細緻な意匠が施された象牙の置物をお譲りいただきました。
眼鏡をかけた年配の女性が、あどけない表情の子供の髪を優しく梳(と)かしている。日常の慈しみ深い一場面を見事に切り取った名品です。着物に施された細やかな文様や、頭髪の一本一本に至るまで、熟練の職人による執念ともいえる高度な彫刻技術が注ぎ込まれています。
肌の質感や衣服の柔らかなシワの表現、そして何よりも二人の温かな心の交流が伝わってくるような造形美は、まさに象牙彫刻の真骨頂と言えます。作者の深い慈愛が、滑らかで温もりのある素材を通して現代に鮮やかに語りかけてくるようです。
日本の象牙彫刻は、江戸時代からの根付の技法を継承しつつ、より鑑賞性を追求した「置物」へと進化した歴史があり、本作もその精緻な美意識を色濃く反映しています。
古美術永澤では、こうした歴史ある象牙作品の価値を大切に考え、専門の知識を持つ査定士が丁寧に拝見しております。お手元に眠る大切な古美術品や代々伝わるコレクションの整理をご検討の際は、ぜひ、私どもへご相談ください。
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