
岡本秋暉(おかもと しゅうき)掛け軸
先日、お客様より大変素晴らしいお品物をお譲りいただきました。幕末から明治にかけて活躍した絵師、岡本秋暉(おかもと しゅうき、1807年〜1862年)の花鳥図掛け軸です。
岡本秋暉は、文化4年(1807年)に江戸で生まれ、江戸時代後期から末期に活躍した絵師です。
写生に基づいた精緻な描写と、鮮やかな色彩を駆使した独自の表現へと発展していきます。特に、花鳥画を得意とし多くの人々に愛されました。
今回の花鳥図は、まさに秋暉の真骨頂とも言える傑作です。画面の中央に描かれた鮮やかな羽を持つキジの雄と、それに寄り添う雌の姿は、見る者の目を惹きつけます。
雄のキジの羽は、光沢感のある彩色で緻密に描かれており、生命力に満ちています。雌のキジもまた、雄とは対照的な柔らかな色合いで描かれ、両者の対比が作品に深みを与えています。
キジの周囲には、岩や笹、そして紅い椿と白梅が咲き誇る様子が描かれています。岩の力強い筆致、竹のしなやかさ、そして花びら一枚一枚の繊細な描写は、秋暉の卓越した技術を物語っています。
印象的なのは、花と鳥の調和です。満開に咲く椿と梅の花は、キジの存在感に負けることなく、画面全体を華やかに彩っています。
古美術品、骨董品には、それぞれに物語と歴史が刻まれています。私ども古美術永澤は、その価値を適正に評価し、次へと繋ぐお手伝いをさせていただきたいと考えております。
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