
森白甫(もり はくほ)雀梅図 掛け軸
先日お客様より、森白甫(もり はくほ)の美しい「雀梅図」の掛け軸をお譲りいただきました。
森白甫は、明治から昭和にかけて活躍した日本画家です。とりわけ花鳥画を得意とし、その繊細で詩情豊かな作風は多くの愛好家を魅了しました。
この作品は、満開の梅の花と一羽の小鳥が描かれています。画面左下から伸びやかに枝を広げる梅は、鮮やかな赤色の花を咲かせ、春の訪れを告げています。花びらの一枚一枚、そして枝の棘に至るまで、筆致は驚くほど丁寧で、白甫の観察眼と確かな技術がうかがえます。
そして、その梅の枝にちょこんと留まる一羽の小鳥。ふっくらとした丸みのある体、風になびく尾羽、そして何よりも愛らしい表情が、見る者の心を和ませます。梅の赤と鳥の柔らかな茶色の対比も絶妙で、画面全体に温かく穏やかな雰囲気を生み出しています。
構図もまた見事です。左下に重心を置く梅の木に対し、画面上部へと向かう枝先に留まる小鳥が、絶妙なバランスを取っています。余白を大胆に活かすことで、梅の香りと春の空気が空間いっぱいに広がるような広がりを感じさせます。単なる写生画ではなく、そこに情感や物語性を吹き込む白甫の筆力が存分に発揮された作品と言えます。
落款に目をやると、「白甫」の二文字と印が鮮やかに押されています。保存状態も良好で、経年によるわずかなシミは見受けられるものの、作品本来の美しさは損なわれていません。
今回、お客様が大切にされてきた本作品を、弊社の専門査定士が丁寧に拝見させていただきました。森白甫の作品は市場でも評価を得ています。
古美術品、掛け軸は、作家や作品の状態はもちろん、その時代背景や文化的価値によっても評価が大きく変動します。古美術永澤では、幅広い分野に精通した専門査定士が、一点一点を丁寧に拝見し、適正な価値を見出します。
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