
松林桂月(まつばやし けいげつ)作の掛け軸
この度、お客様より、近代日本画壇を代表する画家の一人である松林桂月(まつばやし けいげつ、1876-1963)による桃図の掛け軸を買取させていただきました。
本作品は、桂月得意の花鳥画の中でも特に美しい桃の枝を描いた作品で、淡い色彩と繊細な筆致が見事に調和した逸品です。
画面には垂れ下がる桃の枝が優雅に描かれ、薄紅色に染まった桃の実が印象的に配置されています。桂月らしい写実的でありながらも装飾的な美しさを持つ表現が随所に見られ、桃の実のグラデーションや葉の一枚一枚に込められた丁寧な筆運びからは、高い表現力と自然に対する深い観察眼が感じられます。
松林桂月は山口県萩市出身の日本画家で、本名を篤といいます。野口幽谷に師事し、文展や帝展で数多くの受賞歴を持つ実力派の画家として知られています。特に花鳥画や風景画を得意とし、写実的な描写力と優美な色彩感覚で多くの人々を魅了しました。桂月は戦前戦後を通じて活躍し、日本画壇の重鎮として後進の指導にも尽力したことから、現在でも美術愛好家や収集家から高い評価を受けています。
査定におけるポイントとして、まず真作であること。そして、作品の保存状態。さらに、描かれたモチーフや制作年代、サイズなども査定の要素となります。桂月の作品は、花鳥画で、季節感のある美しい作品ほど人気が高い傾向にあります。
古美術永澤では松林桂月をはじめとする近代日本画の豊富な取引実績を持つ査定士が、お客様の大切な作品を丁寧に査定させていただきます。日本画や掛け軸の買取をご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。
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