
山口玲熙 (やまぐち れいき) の掛け軸
先日、山口玲熙(やまぐち れいき、1894-1979年)の日本画の掛け軸「芥子(けし)」をお譲りいただきましたのでご紹介します。
山口玲熙は、明治27年(1894年)に京都で生まれた日本画家です。1907年に、四条派の流れを汲む京都の菊池芳文(きくち ほうぶん)に師事し、その写実的で繊細な花鳥画の技法を学びました。芳文の没後は、その高弟であり日本画壇の重鎮であった菊池契月(きくち けいげつ)に師事。花鳥画を得意とし、文展や帝展、日展などの官展に出品し評価を受けました。
今回の作品「芥子」は、赤と白の大輪の芥子の花が描かれた美しい掛け軸です。画面中央には、赤と白の鮮やかな花が堂々と咲き誇り、その力強い生命力を感じさせます。その隣には、淡い紫色の上品な花が静かに佇み、対照的な美しさを演出しています。
蕾や葉も瑞々しく描かれ、芥子の持つ柔らかな質感が丁寧に表現されています。落款には「玲熙」の文字が確認できます。
山口玲熙が活躍した時代は、西洋画の写実性が日本画にも取り入れられ、新たな表現が模索された時代でした。そのような時代背景の中、山口玲熙は、二人の偉大な師から学んだ技法を融合させ、伝統的な花鳥画の技法を守りつつ、近代的な感覚を取り入れた独自の画風を築き上げました。
古美術永澤では、山口玲熙をはじめとする著名な日本画家の作品を積極的に査定・買取しております。ご自宅に眠っている美術品や骨董品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤にご相談ください。丁寧に拝見し、その価値をしっかりと見極めさせていただきます。まずはお気軽にお問い合わせください。
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