
菱田春草 (ひしだ しゅんそう) 小禽図 (しょうきんず)
日本美術院を代表する画家、菱田春草(ひしだ しゅんそう、1874-1911年)の筆による小禽図 (しょうきんず) をお譲りいただきました。
春草は、横山大観らと共に「朦朧体(もうろうたい)」と呼ばれる、墨線を用いず、色線や濃淡で対象の形態を表現する新しい画風を追求しました。これは、西洋の写実的な表現を取り入れつつ、日本の伝統的な水墨画の精神性を融合させた革新的なものであり、明治から大正にかけての日本画壇に大きな影響を与えました。
この度の作品は、繊細な筆致で描かれた一羽の小鳥と、その止まる木の枝が印象的です。春草の作品の中でも、特に花鳥画は高い評価を受けており、生き物の生命感あふれる描写と、背景の空間を活かした静謐な構図が見事に調和しています。墨の濃淡のみで表現された画面は、春草が目指した空気感や光の表現、そして深い精神性を感じさせます。
菱田春草をはじめとする近代日本画の巨匠たちの作品は、現在も国内外で人気を誇ります。日本画や古美術品の買取をお考えでしたら、ぜひ一度、古美術永澤にご相談ください。大切なお品物の価値を丁寧に評価し、ご納得いただける買取をご案内いたします。
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