
狩野常信(かのう つねのぶ)による観音図の掛け軸
江戸時代を代表する画家、狩野常信(かのう つねのぶ、1636-1713)による見事な観音図の掛け軸をお譲りいただきました。
狩野常信は、徳川幕府の御用絵師で江戸城、二条城などの障壁画制作を指揮した狩野探幽の甥にあたり、父の尚信の跡を継いで江戸狩野派の中心的な存在として活躍しました。探幽、尚信らが築いた様式を継承しつつ、自身もまたその画風を集大成させ、元信、永徳、探幽とともに「狩野四大家」に数えられるほど、後世に多大な影響を与えた巨匠です。
今回の観音図は、筆致の勢いと墨の濃淡が見事に調和した水墨画の優品です。常信は、古来のやまと絵や中国絵画の研究に熱心で、多くの古画を写した「常信縮図」は、当時の絵画資料としても大変貴重とされています。この観音図にも、古典への深い理解に基づいた力強い描写が見て取れます。特に、観音様を包む満月のような円相、岩座から流れ落ちる滝や波頭の表現は、禅宗系の水墨画の伝統を踏まえながらも、常信独自の洗練された筆遣いを感じさせます。
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