
小村大雲(号:大雲山人)の掛軸です。
小村大雲は山元春挙門下として近代日本画の正統を学び、人物画・動物画・山水画など幅広く手がけました。なかでも動物画と武者絵が有名で、本作のような節句掛けは珍しいと感じる方もいらっしゃるでしょう。
このような雛人形の掛軸は、3月3日に行われる桃の節句のために飾られます。中でも本作のような内裏雛(だいりびな)は天皇・皇后の姿を模した一対の人形で、男雛は束帯を着て笏(しゃく)を持ち、女雛は十二単(じゅうにひとえ)を着て桧扇(ひおうぎ)を持っています。男雛が金色の立烏帽子をかぶっているのに対し、女雛は煌びやかな宝冠をかぶっており、華やかさを強調されています。
また、雛人形の掛軸として女雛が手前にいる作品が多い中で、本作のように男雛が手前にいるのは珍しいと思われますが、天皇・皇后の御座(ぎょざ)に基づく古式の左右観に基づいて描かれていることで、形式美が保たれています。
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