
狩野伊川院(かのう いせんいん) 掛け軸
大変貴重な狩野伊川院(かのう いせんいん)による「梅に鹿図」の掛け軸をお譲りいただきました。
狩野伊川院、すなわち狩野栄信(かのう ながのぶ、1775-1828年)は、江戸時代後期に活躍した狩野派の絵師で、特に「木挽町狩野家」の第8代を継ぎ、その画風は後の狩野派に大きな影響を与えました。彼は幕府の御用絵師の最高位である「奥絵師」を務め、その卓越した技量と格式の高さから「伊川院」の号を賜っています。
今回の「梅に鹿図」は、鹿の穏やかな表情やしなやかな動き、そして梅の古木の力強い枝ぶりと可憐な花が、絶妙なバランスで構成されています。特に茶の鹿と斑(まだら)の鹿の対比的な描写は、冬の厳しさの中に、春の訪れを予感させるような、日本の四季の移ろいを感じさせる雅な趣きに満ちています。
伝統的な狩野派の筆法を守りつつ、栄信ならではの洗練された感性が光る作品と言えるでしょう。
古美術品は、代々受け継がれてきた歴史の証人です。古美術永澤では経験豊富な査定士が、時代背景や芸術的価値を深く理解した上で、適正に査定・買取させていただきます。ご自宅に眠る美術品がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。
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