
象嵌 猫図 帯留
この度、象嵌(ぞうがん)猫図の美しい帯留を買取させていただきましたので、ご紹介させていただきます。
このお品物は、黒猫が優雅に体を丸める姿がデザインされた、大変趣のある帯留でした。漆黒の猫の姿は、繊細な装飾で表現されています。背景には、波のような模様と、その中に埋め込まれた銀色の丸い粒が見られます。
この帯留の最大の特徴は、複数の金属を組み合わせる「象嵌」の技法が用いられている点です。象嵌とは、地金に模様を彫り込み、そこに金や銀、銅、真鍮などの異なる金属を嵌め込んでいく、日本の伝統的な工芸技術です。特に、江戸時代には刀の鍔(つば)や小道具の装飾として発展し、明治時代には海外でも高く評価されました。
今回のお品物は、猫の身体部分には、滑らかな曲線と深みのある質感が巧みに表現されています。猫の眼には、猫の目のように、黄色がかった金属が嵌め込まれており、その鋭い眼光は作品全体に生命感を与えています。背景の波模様は、流れるような線と柔らかな曲線で構成されており、穏やかな水の流れや風を感じさせます。また、背景に散りばめられた小さな丸い粒は、真珠のようにも、水滴のようにも見え、幻想的な雰囲気を醸し出しています。
また、表面の変色や傷も少なく、丁寧に保管されてきたことがわかります。これらの点を総合的に評価し、お客様にご満足いただける査定額での買取となりました。
古美術永澤では、帯留や簪といった和装小物をはじめ、絵画、陶磁器、茶道具など、幅広い古美術品の査定・買取を行っております。ご自宅に眠っているお品物がございましたら、ぜひお気軽に弊社の無料査定をご利用ください。専門の査定士が、お客様の大切なお品物を一点一点丁寧に拝見し、適正な価格をご提示いたします。
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