
槌起七宝(ついき しっぽう)による帯留 茄子
槌起七宝(ついき しっぽう)にて作られた大変趣のある帯留(おびどめ)をお譲りいただきました。深い藍色に輝く茄子の形が、なんとも愛らしい一品です。
特徴的なのは、伝統技法である槌起(ついき)の技術が用いられている点です。槌起とは、銅などの金属板を専用の金槌で叩き、立体的な形に打ち起こしていく技法を指します。これにより、土台となる金属そのものに造形的な表情と強度を持たせることが可能となり、茄子の立体的な表現が生まれています。
七宝焼は、金属製の素地にガラス質の釉薬を焼き付けて文様を施す伝統工芸です。その歴史は古く、奈良時代に大陸から伝わり、明治時代には「七宝の黄金時代」とも称されるほど発展しました。精巧で艶やかな日本の七宝焼は、海外でも高い評価を得ました。
今回の帯留は、茄子の瑞々しい質感が、七宝の釉薬で見事に表現しています。茄子のこの深い藍色は日本の伝統色の中でも、「勝色(かちいろ)」と呼ばれ、縁起が良い色とされてきました。
ご自宅に眠る帯留や櫛(くし)、簪(かんざし)といった和装小物、また七宝焼の工芸品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤にご相談ください。
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