
高瀬好山の蛇置物
先日、お客様より、類稀なる技巧で知られる自在置物の名工、高瀬好山作の「蛇置物」をお譲りいただきました。
とぐろを巻いた蛇を完全に再現しています。一枚一枚、丁寧に表現された鱗の繊細さ、そして蛇独特の滑らかな体躯の曲線美。これらは、まさに高瀬好山の真骨頂と言えるでしょう。
高瀬好山(1853-1927)は、明治から大正期にかけて活躍した金工家で、特に「自在置物」の分野で名を馳せました。自在置物とは、動物や昆虫などを忠実に象り、関節や鱗といった細部に至るまで可動式にすることで、あたかも生きているかのように動かせる工芸品を指します。その技術は、まさに日本の伝統工芸の粋を集めたものと言えるでしょう。
好山の作品は、単なる精密な模倣に留まりません。動物たちの生態を熟知し、その動きや表情にまで魂を吹き込むかのような表現力は、見る者を惹きつけてやみません。彼の作品は、その技術的な高さだけでなく、芸術作品としての価値も大変高く評価されています。
今回お譲りいただいた蛇の自在置物は、長年の時を経てきたにもかかわらず、その保存状態が良好でした。自在置物は可動部分が多いゆえに、破損や劣化が生じやすいものです。しかし、こちらの作品は各部の可動もスムーズで、欠損なども見当たらず、丁寧に扱われてきたことが伺えました。
そして、現在の骨董市場における高瀬好山の作品の評価も、査定額を決定する上で考慮されます。国内外からの需要が高く、コレクターの間でも非常に人気の高い好山の作品は、高い価値を保っています。
古美術永澤では、お客様が大切にされてきた骨董品や美術品を、一つ一つ丁寧に拝見し、その真の価値を見極めます。高瀬好山のような名工の作品はもちろんのこと、ご自宅に眠っている価値あるお品物がございましたら、ぜひ一度古美術永澤にご相談ください。私たちは、そのお品物に込められた物語を大切にし、次世代へと繋ぐお手伝いをさせていただきます。
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