
龍形の香炉
見事な龍の意匠が施された古い香炉を買取させていただきました。この香炉は、胴体部分が香を焚く炉となっており、龍の頭部と長い尻尾、そして四肢が巧みに配置された独特の造形となっています。龍の表情は威厳に満ち、細部まで丁寧に彫刻が施されており、職人の高い技術力を物語っています。
材質は青銅製と見られ、長年の使用により表面に深い味わいのある緑青が生じています。この緑青は真鍮や青銅製品に特有の自然な変色で、古い金属工芸品であることを示す要素の一つです。龍の造形は中国風の意匠で、四本の脚でしっかりと立つ姿勢は力強さと安定感を表現しています。
龍をモチーフとした香炉は、中国の明・清時代から盛んに作られるようになりました。龍は古来より皇帝の象徴とされ、権威と吉祥の意味を込めて様々な工芸品に用いられてきました。特に香炉は仏教や道教の儀式、文人の書斎での香りを楽しむ文化と深く結びついており、実用性と装飾性を兼ね備えた重要な道具として発達しました。
龍形香炉は、その芸術性と歴史的価値、そして実用性を併せ持つ魅力的な工芸品です。古美術永澤では、このような貴重な古美術品の価値を正しく見極め、お客様にご満足いただける査定を心がけております。香炉や茶道具をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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