
村田整珉(むらた せいみん)による象耳花立
この度、江戸時代後期の鋳工である村田整珉(むらた せいみん、1761-1837年)による「象耳花立」をお譲りいただきました。精緻な意匠と重厚な趣を併せ持つ逸品です。
村田整珉は、江戸時代後期(18世紀後半から19世紀前半)に活躍した名工です。彼が得意としたのは「蝋型(ろうがた)鋳物」という技法です。
これは、蜜蝋などで原型を精密に作り、それを土で固めて焼成することで蝋を溶かし出し、できた空洞に金属を流し込むという、非常に手間と技術を要するものです。この技法を用いることで、写実的でありながらも柔らかな曲線や細密な文様表現が可能となり、整珉の作品は当時から高い評価を得ていました。
今回の象耳花立は、その特徴がよく表れており、全体に施された鱗のような地紋や、胴部の饕餮(とうてつ)文、そして把手として取り付けられた象の耳の意匠など、どの部分をとっても緻密な仕上がりです。底裏には大日本文政年 整珉鑄(鋳の旧字体」の銘が刻まれており、整珉が最も円熟した文政年間(1818~1830年)頃の作であると推察されます。
ご自宅に眠る古美術品や、価値の分からずにお持ちの鋳金作品などがございましたら、ぜひ一度、古美術永澤の査定・買取をご利用ください。
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