
正阿弥勝義(しょうあみ かつよし) 花入
幕末から明治にかけて活躍した金工家、正阿弥勝義(しょうあみ かつよし、1832-1908年)による花入をお譲りいただきました。精緻を極めた装飾と、重厚な鉄錆地 (てつさびじ) の風合いが、勝義ならではの存在感を放つ逸品です。
正阿弥勝義は、天保3年(1832年)に津山の彫金師の家に生まれ、後に岡山藩御抱えの正阿弥家を継ぎました。元々は刀装具の制作で名を馳せましたが、明治維新後の廃刀令により仕事が激減。しかし、勝義は時代の変化を機に、その卓越した技術を香炉や花入などの美術工芸品へと転換させました。
彼は、精緻な写実表現と、鉄錆地をはじめとする多彩な金属の色合いを巧みに用いる「色絵金工」の技術で知られ、国内外の博覧会で数々の受賞を重ね、宮内省への買い上げも多数に及んだ作家です。本作の花入にも、金や銀を用いた象嵌による華やかな文様が、渋い地肌に映え、勝義の技術と美意識が凝縮されています。
このような歴史と背景を持つ貴重な作品をお預かりできましたことは、査定士一同、大変光栄に存じます。
古美術永澤では、正阿弥勝義をはじめとする明治金工、古美術品の査定・買取を承っております。ご自宅に買取をお考えの古美術品がございましたら、是非一度ご相談ください。経験豊富な査定士が、作品の価値をしっかりと見極め、適正な価格で買取させていただきます。
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