権田広助　尾張七宝鉢

明治時代に活躍した七宝作家、権田広助（ごんだ ひろすけ）による美しい尾張七宝鉢を買取させていただきました。

権田広助は、色の深みと立体感が増す有線七宝や、色の境界をぼかす無線七宝の技法を巧みに組み合わせ、自然の風景や動植物を精緻に表現することに長けていました。

この鉢に見られる、花をかたどった柔らかな色調と、周囲を舞う蝶の表現は、広助の得意とした繊細な描写力が遺憾なく発揮されています。

花の中心部分の細密な装飾や、蝶の一匹一匹に施された異なる色彩と質感は卓越しており、彼が工芸家ではなく、芸術家としての繊細な仕事を物語っています。

権田広助が尽力した尾張七宝は、愛知県を中心に発展し、日本の伝統工芸の中でも特に高度な技術を確立しています。その歴史的背景を考えると、この作品は、明治から大正時代という激動の時代における日本の美意識と技術革新の証とも言えます。

古美術永澤では、このような歴史的価値と美術的価値を兼ね備えた権田広助の尾張七宝作品をはじめ、日本の古美術品、工芸品の査定・買取に力を入れております。買取をお考えの際は、ぜひ一度ご相談ください。

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