刀装具 頭

素晴らしい刀装具の「頭（かしら）」を買取させていただきました。

頭とは、日本刀の柄（つか）の端を飾る金具で、柄糸（つかいと）の巻き終わりを留め、柄を補強する役割を持つ重要なパーツです。

彫刻されているのは、寝そべって穏やかな笑みを浮かべる子どもの姿、「唐子（からこ）」と、同じく笑みを浮かべる「布袋」です。背景には川の波も彫られています。布袋の大きな袋を唐子が運んでおり、布袋は唐子を背負っています。これは布袋の川渡という有名な画題で、横山大観、土佐光起などの絵師も描いたものです。この画題は武士にとって非常に縁起がよく、武運長久・危難突破を意味していました。禅画としての人気もあるので、その人気が当時の刀装具にも影響しました。

顔の豊かな表情や衣の皺、背景の意匠、立体的な仕上がりに至るまで、極めて緻密で丁寧な「高彫り（たかぼり）」の技法が駆使されていることが分かります。こうした精巧な技法は、江戸時代に刀装具が美術工芸品としても進化を遂げた証であり、当時の金工師の類まれなる技術力が光ります。

古美術永澤では、このような歴史的背景と美術的価値を兼ね備えた刀装具の査定・買取をを幅広く承っております。刀本体はもちろん、刀装具一点からでも熟練の査定士が丁寧に拝見させていただきます。買取をご検討中の品がございましたら、ぜひご相談ください。

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