金工装飾箱

美しい木目に精巧な金工装飾が映える、格調高い木製箱をお譲りいただきました。

本作の最大の特徴は、木の質感を活かしつつ、その表面に躍動感あふれる尾長鳥と菊の繊細な金工細工を貼り付けている点にあります。

金属特有の重厚な光沢と立体感が、木の柔らかな風合いと見事な対比を見せており、蒔絵とはまた異なる力強い美しさを放っています。

鳥の羽の細やかな彫り込みや、菊の花弁一枚一枚の造形からは、当時の金属工芸師たちの卓越した技術と、素材の組み合わせに対する並々ならぬこだわりが伝わってくる逸品です。

こうした木工と金工を組み合わせた工芸品は、古くから調度品や装飾品として愛用されてきました。特に明治時代以降、刀装具などで培われた高度な金工技術は、こうした日用品や輸出用の美術品にも応用され、和洋を問わず多くの人々を魅了した歴史があります。

木のぬくもりと金属の華やかさが融合した意匠は、まさに日本の職人魂が結実した美の形といえるでしょう。古美術永澤では、経験豊富な査定士が、お客様が大切にされてきた金工作品を丁寧に拝見しております。整理をご検討の際は、ぜひ、私どもへお気軽にご相談ください。

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