金工印籠

繊細な彫金細工が目を引く見事な金工印籠をお譲りいただきました。

本作は、金属の表面を丹念に彫り下げることで、立体的な唐草文様と格式ある家紋を浮かび上がらせた職人魂が凝縮された逸品と推察されます。

漆塗りの印籠とは一線を画す金属特有の重厚感と、長年大切に受け継がれてきた証である落ち着いた金色の輝きが、手にした瞬間にその格の違いを伝えてくれます。特に中央に配された家紋の精緻な仕上がりは、当時の金工師がいかに高い集中力と技術を注ぎ込んだかを物語っています。

印籠は、戦のない平和な時代が続くにつれて高度な工芸技術を競う「掌上の芸術品」へと進化を遂げました。特に幕末から明治にかけては、廃刀令により職を失った刀装具師たちがその卓越した彫金技術を印籠や根付へと注ぎ込み、世界を驚かせるほどの精密な金工作品が数多く誕生しました。

古美術永澤では、こうした歴史的価値のある金工作品の査定・買取を承っております。コレクションの整理を検討される際は、ぜひ私どもの無料査定をご活用ください。

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