
蒔絵羅漢図 香合
黒漆地に金蒔絵で羅漢図が描かれた蒔絵の香合をお譲りいただきました。その精緻な技法と美しい意匠が目をひく逸品です。
香合の蓋面には、錫杖を持った羅漢が水を汲む姿が、その背景には細かな金粉による星空が描かれています。
注目すべきは、羅漢の衣装に用いられた蒔絵の技法です。金粉を蒔いた後に漆を重ね、研ぎ出すことで立体感を出しており職人の高い技術力を物語っています。また、水の流れの表現により、奥行きのある構図となっています。
羅漢図という宗教的モチーフは、茶道の精神性とも深く関わりがあり、茶席での使用においても格調高い雰囲気を演出します。
今回の査定では、次の点を重視いたしました。
・技法の確認:蒔絵技巧の丁寧さ、金粉の質と密度
・保存状態:漆面の艶や傷の有無、蒔絵の剝落状況
・時代性:用いられている技法や意匠から推定される製作年代
・作家性:銘や印章の有無
全体的に保存状態が良好で、特に蒔絵部分の状態が素晴らしく、製作当時の美しさを今に伝えています。
蒔絵香合は日本の伝統工芸の粋を集めた美術品です。古美術永澤では、このような貴重な作品を適正に評価し、次の愛好家の方々へと橋渡しする役割を担っております。
茶道具や漆工芸品の買取をお考えの際は、ぜひ専門の目利きが在籍する古美術永澤までご相談ください。丁寧な査定と適正な価格でのお買取りをお約束いたします。
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