
黒漆金蒔絵(くろうるし きんまきえ)の瓶子(へいし)
先日、お客様よりお引き取りさせていただいたのは、こちらの「黒漆 金蒔絵 瓶子(くろうるし きんまきえ へいし)」一対です。
すらりと伸びた優美な胴体、そして安定感のある高台。全体を覆うのは、艶やかで深みのある黒漆です。そして、何よりも目を引くのが、中央に堂々と配された金蒔絵の家紋でしょう。これは徳川家の家紋として知られる「三つ葉葵」紋です。
瓶子(へいし)とは、元来、神事や仏事で酒や水を供えるために用いられる器を指します。このような瓶子が漆と蒔絵で荘厳に飾られていることから、その用途は格式の高い場所、すなわち大名家の儀式などで用いられたものと推測されます。
お客様のお話では、この瓶子は代々ご子孫に受け継がれてきたもので、かつてご先祖様が徳川家と縁があったと伝えられているそうです。このような伝来の背景を知ることで、単なる美術品としての価値だけでなく、歴史的な資料としての価値も格段に高まります。
近年、古美術の世界では、このような漆器や蒔絵の評価が再認識されつつあります。西洋のアンティークとは異なる、日本独自の美意識と職人技が凝縮されたこれらの品々は、国内外のコレクターから注目を集めています。特に、大名家伝来という確かな来歴を持つものは、市場に出回ることが稀であり、その希少性は高くなります。
今回の瓶子一対の買取を通じて、次の世代へと引き継いでいくお手伝いをさせていただければ幸いです。
お手元に眠る古美術品や古道具がございましたら、ぜひ一度、私ども古美術永澤にご相談ください。一点一点、丁寧に拝見し、その歴史的・美術的価値を正しく評価させていただきます。お電話、LINEでのご相談も随時承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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