
堆朱筆(ついしゅふで)
この度、お客様より、その精緻な彫刻と深い色合いが目を引く中国美術の「堆朱筆(ついしゅふで)」をお譲りいただきました。
堆朱(ついしゅ)とは、何十、何百という朱漆(しゅうるし)を何層にも塗り重ね、その層を彫り込んで文様を表現する、中国に起源を持つ伝統的な漆芸技法です。気が遠くなるような時間と手間をかけて生み出されるその美しさは、まさしく職人の技術と情熱の結晶と言えるでしょう。
この堆朱筆は、全体を覆うように施された文様が特徴的です。細部にわたる丁寧な彫りは、当時の名工の技量を雄弁に物語っています。
また、注目すべきはその状態の良さです。堆朱はデリケートな工芸品であり、特に古い時代のものは、経年によるひび割れや漆の剥離が見られることが少なくありません。しかし、この堆朱筆は、ほとんど傷みが見られず、美しい朱色を保っています。
堆朱筆は、清時代中期から末期にかけて多く作られ、文人墨客の間で愛用されてきました。ただの筆記具としてだけでなく、権威や富の象徴、あるいは芸術品として、多くの人々に珍重されたことでしょう。
中国美術品の中でも、特に堆朱は、その希少性と芸術性の高さから、世界中のコレクターから高い評価を受けています。
古美術永澤では、今回、買取させていただいた堆朱筆をはじめ、中国美術、東洋古美術全般にわたり、専門的な知識を持った査定士が一点一点丁寧に拝見させていただきます。ただ単に物の価値を査定するだけでなく、そのお品物が持つ歴史や物語、そしてお客様の想いにも寄り添い、適正な価格をご提示できるよう努めております。
ご自宅に眠っている古い掛け軸や陶磁器、漆器など、ご処分にお困りのお品物がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤にご相談ください。査定は無料です。価値がわからず処分を検討されているお品物の中に、思いがけないお宝が隠れているかもしれません。お客様の大切なお品物を、次へと繋ぐお手伝いをさせていただければ幸いです。
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