
蒔絵 盆
先日、お客様より、黒塗りの漆器に金色の繊細な蒔絵で菊と蝶が描かれた、美しいお盆をお譲りいただきました。このお品は、金蒔絵の技法を駆使した価値ある逸品です。
蝶や花びらの輪郭、葉の葉脈など、一部が盛り上がるように描かれています。これにより、立体感と奥行きが生まれ、作品の格調を高めています。蝶の羽は、滑らかで上品な輝きを放ち、見る角度によって表情を変える繊細な美しさが表現されています。
このお品に描かれているのは、菊と蝶の組み合わせです。菊は、秋の訪れを告げる花として古くから日本人に愛され、長寿や無病息災を象徴する吉祥文様とされてきました。一方、蝶は、幼虫からさなぎ、そして美しい成虫へと姿を変えることから、「長寿」、「不死」や「立身出世」の意味合いを持つ縁起の良い文様です。
この二つの文様が組み合わされることで、作品全体に優雅さと、持ち主に幸福が訪れることへの願いが込められていることがうかがえます。また、文様の配置も絶妙です。菊の花は力強くも優美に、蝶は軽やかに舞うように描かれ、全体のバランスが非常に洗練されています。
骨董品は、一見するとただ古いものにしか見えないかもしれません。しかし、その一つひとつに、時代の物語や職人の技、そして人々の想いが詰まっています。
もし、ご自宅に眠っている古いお品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤の査定をご利用ください。お客様の大切なお品に秘められた価値を、丁寧に紐解かせていただきます。
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