
螺鈿 香箱
この度、お客様より、大変素晴らしい螺鈿細工の香合をお譲りいただきました。
この香合は、漆の深い黒を背景に、アワビ貝や夜光貝といった貝殻を薄く削り出して象嵌(ぞうがん)した螺鈿細工が施されています。螺鈿は、光の角度によって様々な色に変化する虹色の光沢が特徴で、古くから工芸品の装飾に用いられてきました。
描かれているのは、人物たちが、自然の中で、楽しげに交流している様子が、細やかな螺鈿で表現されています。特に、人物の衣のひだや表情、そして笹の一本一本に至るまで、精緻な手仕事が光っています。この細やかさは、熟練の職人でなければ成し得ないものです。
使用されている貝の種類や、その配置、光沢の美しさも評価の対象となります。この香合は、貝の選別が優れており、それぞれの部分が持つ光の反射を巧みに利用して、奥行きのある世界観を創り出しています。
そして保存状態については、経年による擦れや小傷は見受けられますが、損傷が少なく良好な状態を保っていました。
今回の査定では、これらの要素を総合的に判断し、お客様にご満足いただける価格をご提示させていただきました。
古美術永澤では、螺鈿細工をはじめ、様々な古美術品の査定を行っております。ご自宅に眠っている古いお品物がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。一点一点、丁寧に拝見し、その価値を最大限に評価させていただきます。
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