
虫図の蒔絵印籠
この度、大変見事な虫図蒔絵印籠をお譲りいただきました。
丸みを帯びた形状に、漆黒の地に金や朱、黒漆を用いて虫たちが精緻に描かれています。カブトムシ、とんぼ、鈴虫が描かれた構図は、夏の終わりと秋の訪れを予感させ、見る者を惹きつけます。
江戸時代に武士や裕福な町人が携帯した印籠は、薬などを入れるための実用的な容器でありながら、最高の漆芸技術が注ぎ込まれた装身具でもありました。特に蒔絵(まきえ)は、漆が乾く前に金粉や銀粉などを蒔きつける、日本独自の高度な加飾技法であり、印籠はその技術の粋を集めた小さな美術品として愛好されました。
虫の意匠、虫図は、古来より好まれてきたモチーフの一つです。例えば、画像にあるカブトムシ(甲虫)は、その強靭さから武士に好まれたと考えられます。また、四季の移ろいや風情を表現する主題としても人気を博しました。本品は、その細部にわたる描写から、一流の蒔絵師の手によるものと推察されます。
お客様の大切なお品物を、経験豊富な査定士が丁寧に拝見し、適正な価格にて買取いたしました。骨董品・美術品の査定買取をご検討の際は、ぜひ古美術永澤にご相談ください。真心を込めて対応させていただきます。
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