
螺鈿(らでん)装飾の小物入れ
この度、全面に細かな螺鈿(らでん)装飾が施された美しい小物入れをお譲りいただきました。
この小物入れは、虹色の輝きを放つアワビ貝などの真珠層を細かく切り出し、漆地に敷き詰めた螺鈿の技法が用いられています。
この密な貝片による装飾は、華やかさと同時に、手仕事の丁寧さと途方もない時間を要する労力を感じさせます。側面に設けられた扉を開けると、内側にも漆が塗られた収納が確認でき、実用性も兼ね備えた、美術性と工芸性の両面を持つ逸品です。
螺鈿の技法は紀元前の古代エジプトが起源ですが、日本へは、奈良時代に唐から伝来しました。
日本では平安時代に蒔絵(まきえ)と組み合わされて独自の発展を遂げ、その美意識は時代を経て武家や貴族の調度品を飾りました。
江戸時代に入ると、螺鈿の技術は生活に根ざした品々にも広がり、茶道具や、今回のような小物入れの装飾にも用いられています。
古美術永澤では、こうした古美術品や漆芸品の持つ歴史的・美術的価値をしっかりと見極め、次の愛好家へと橋渡しいたします。螺鈿細工の漆器や小物入れなど、ご自宅に眠る古美術品の査定・買取は、ぜひ古美術永澤にお任せください。
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